日本唯一の森林ジャーナリストの田中淳夫氏が花粉症に関する政策や対策方法について紹介。どのような対策が有効か?Surfvoteに意見を投票した人からさまざまなコメントが集まりました。
SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするソーシャルスタートアップPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は4月30日に投票終了したイシュー(課題)「花粉症対策、何が正解?」の結果をお知らせします。Surfvoteでは社会のあらゆる課題や困りごと、「イシュー」を専門家や大学の先生が執筆し、毎日掲載。Surfvoteに訪れればさまざまな社会課題をだれでも簡単に学び考えることができます。アカウント登録をすると選択肢のなかから自分の意見に近いものを選んで投票したり、コメントを書いたりすることができます。社会の分断や対立を助長するのではなく、さまざまな意見を持つひとが共通する価値観を見つけることができるようサービスの開発を日々進めています。
- 1分でイシューがわかる!「花粉症対策、何が正解?」
花粉症の季節は毎年多くの人々に影響を及ぼし、日本国内だけで年間3800億円以上の経済的損失が推計されています。さらに、労働生産性の低下による損失も莫大で、花粉症対策は重要な国民健康課題の一つです。
特にスギ花粉症は日本人の約40%が罹患しており、その対策として政府はスギ林の削減を目指しています。
しかし、この対策は実行と成果に多くの疑問が投げかけられており、現実的な労働力の問題や生態系への影響、伐採後の土砂崩れリスクなど多くの課題が指摘されています。また、伐採した木の利用問題や、伐採によるCO2吸収量の減少も深刻です。
これらの問題に対する具体的な解決策としては、花粉の飛散を抑える新技術の開発や、症状軽減を目指した医療対策などが検討されていますが、完全な解決には至っていません。花粉症対策には、発生源の管理から症状の治療まで、多角的なアプローチが必要なことがわかります。
- 投票の詳細
URL:https://surfvote.com/issues/uose9eeoqynk
調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)
調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー
調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票
投票期間:2024年2月20日〜4月30日
有効票数:47票
- 投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)
スギなど花粉発生源を大都市近郊から排除していく。地方より都会から重点的に減らすのが急務である。 25.5%
災害を起こさないよう数十年かけてスギの伐採等を進める。その間は治療で耐える。 29.8%
花粉飛散量と花粉症発症者数が連動しないというデータには驚いた。花粉症の当事者としては対策を願いたいところである。ただ、イシューにもある通り、大規模な伐採は災害の危険を増すもので、また再び樹木が育つには数十年を要する。迂闊な政策では取り返しがつかなくなると思い、こちらに投票した。
花粉を飛散させないよう枝打ちや強度間伐、薬剤や菌の散布を慎重に行う。 8.5%
都心、地方問わず伐採を進めていくべきだと思うが、急激な伐採が土砂崩れなどの災害を引き起こす可能性があるとすれば徐々に進めていくのがいいと思う
花粉飛散量の細かな予測を出す。花粉防護グッズの普及や出社せずオンラインで仕事し後押しをする。 4.3%
屋内にいればほとんど症状はない。が、少しでも外に出て花粉に曝された途端に鼻水と目の痒みが止まらなくなる。私はそういうタイプです。あまりにも花粉飛散量の多い日にはオンラインでの出社が認められる、そんな社会になったらどれほど幸せか。現実的ではないかもしれませんが、個人的感情からこちらに投票です。
患者の救済に力点を置く。防護費や医療費の補助を強化し、治療薬や免疫療法の研究に投資を進める。 17%
花粉はスギだけではないので、根本的な問題になっている植物を伐採しにいくというのは現実的に難しいと思うし、スギは花粉症人材の毒になっているけれど、環境問題においてはポジティブな役割を果たしていることもある。そうなったときに、自然を壊すのではなく、医療体制・制度を整えて患者を救える方法や選択肢を増やすことが最善と考える。
花粉症などアレルギーになりやすい体質を改善にすることに力を入れる。 8.5%
杉を切ったところで檜の花粉やその他のアレルギーもある。私も花粉症には悩まされているが、薬でだいぶ楽になっている。杉を切ることは自然破壊につながるし、今話題のSDGsに反すると思う。
花粉症に特化した対策は諦める。気候変動など地球環境も含めて取り組むべき。 0%
その他 6.4%
複数項目にまたがって対策すべきだと思ったので、その他にしました。根本的な伐採での解決だけに頼るには記事に記載の通り林業業界などに影響が大きいので、最大限被害が出ない程度に少しづつ進め、同時に自分が花粉症にならないやなったとしても治療できるような体制ももっと整えられたらいいと思います。
わからない 0%
- このイシューを執筆した 田中 淳夫氏
日本唯一の森林ジャーナリスト。森林環境・林業・山村地域などをテーマに扱っています。